患者さんにストレスを与えないことが大事

認知症ケアに携わる看護師は、どんな注意点を意識しながら職務に当たればよいのでしょうか。ここでは実例を挙げてご紹介しましょう。

まず注意点として言えるのが、患者さんの社会参加を促す際に、ストレスを与えない方法を実践するという点です。認知症の中でも急性で進行が早いアルツハイマーにおいて、患者さんの社会参加を促すことによって死亡率が低下したり、筋力を維持できるという研究結果があります。そのため、この実情を意識した上で、患者さんに無理なく社会参加を促すようにしましょう。

しかし、社会参加と言っても多種多様な方法があり、患者さんがどんな方法を望んでいるかは異なります。そのため、本人にとってストレスが少ないやり方を模索することが大切になってきます。

具体的には、料理が得意な人には、料理の手伝いをお願いして社会参加を促したり、アウトドアや草いじりが好きな人には、ガーデニングで野菜作りに挑戦してもらうといった形です。また、最初から難しい方法ではなく、簡単にできるものから始めて少しずつレベルアップするのがコツです。

そして、患者さんの気持ちを尊重するという点も必須です。認知症ケアにとってどんなアクティビティが適切かが分かっていても、やりたくない患者さんに無理強いするのは精神的なストレスとなります。自然な形でアクティビティに誘うなら、普段のコミュニケーションの中で好きなことや得意なことを聞き出して、本人が興味を持って取り組めることに挑戦してもらうのがおすすめです。