「難易度」カテゴリーアーカイブ

難易度が高い看護師の認知症ケア

看護師の認知症ケアは、一般的な病棟での業務と比較して業務遂行の難易度が高くなります。今後、認知症の分野で活躍したいと考えている人は、実際の現場で働く看護師の具体的な問題の事例を把握しておくと良いでしょう。事前にノウハウを知っておけば、いざその状況に置かれたときにスムーズに対応できるでしょう。

現代の医療では、まだ認知症は完治できるものではありません。そのため、進行をいかに遅らせるかが重要な部分になってきます。例えば、認知症を患う患者さんの中には、BPSD(行動心理学的症候)によって身体の筋力が低下してしまうケースがあります。筋力が低下することによって、それまでは普通にできていたことが難しくなったり、身体を思うように動かせず、本人が大きなショックを受けてしまうものです。それがストレスとなり、引きこもりがちになって進行の悪化につながることは珍しくありません。

ADLは患者さんのQOLに直結するため、看護師としてはできるだけADLが起こらないよう早い段階で患者さんに社会参加を促し、生活の中で適度に筋肉を使うトレーニングを取り入れるのが得策です。それでもADLが進行して身体の自由が奪われてしまった際には、その環境の中でも患者さんが生きがいや充実感を感じられるような環境づくりに取り組むことが求められます。

例えば、趣味を通して他人と交流できる場所を作ったり、地域との関わりを持てるような環境に身を置くだけでも、本人は大きな充実感を感じられるものです。人との交流は、QOLの向上に大きな影響を与えるため、必要不可欠と言っても過言ではありません。